ICT教材・教材データベース

ICT教材一覧(2017年度)

2017年度に作成を支援したICT(e-Leraning)教材をご紹介します。

2017年度に作成したICT教材

【英語教材】医学類生の臨床実習(クリニカル・クラークシップ)教育のための実用医学英会話教材――Do’s and Don’ts Ⅱ

作成代表者 Andrew Schneider
所   属 医薬保健研究域医学系
教材の概要

グローバリゼーションが進むにつれ石川県在住日外国人は年々増加傾向にあり、病院受診する外国人患者数も増加している。また国際社会に対応した医療ニーズも高まっている。一方、日本の医学教育においては臨床実習の前段階(プレクラークシップ)で英会話を用いた患者対応に関する充分な授業配分はなされていない。また、良い教材が十分に整備されているとはいえない。そのため医学生や研修医が外国人患者に接する場で、適切なコミュニケーションがとれていない現状がある。

24年度に医学生が外国人患者と接する際に必要な実用英会話を習得することを目的として、5年生向けICT教材(e-learning tool)を開発・制作した。クリニカル・クラークシップにおけるPBL(Problem-Based Learning)教育を通して、基本的なコミュニケーション能力、プライマリケア診療能力の向上に努力した。今年度は、24年度に制作した5年生用教材と内容的に連続性を持つ低学年(4年生)向けの教材を開発・作成する。新教材はより基本的な内容とし、基本的会話能力、医療面接(問診)・診察に必要な外国人とのコミュニケーション能力の獲得を目指す内容とする。外国人患者の診察室入室時の英語での挨拶から始まり、患者の訴えを理解するための基本的な会話、受容と共感など医師として身に付けるべき態度、コミュニケーション・スキルを含む。それらをWebでくり返し活用し学生の主体性・積極性を喚起し、自主学習意欲を高めることで臨床医学への学びの動機づけとなることも期待される。さらに異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティーを確立する一助となると考えられる。これらを通してグローバル人材育成の教育ツールのひとつとしたい。

作成協力者

・多久和陽(金沢大学医薬保健研究域医学系・教授、医薬保健学域医学類長)

・中川詩織(金沢大学附属病院腎臓内科・医師)

・粟野雅代(あわの医院)

・高田知代子(金沢大学医薬保健系事務部学生課・事務補佐員)

【英語・日本語教材】流体力学講義の英語化・国際化に対応した日英対照E-Learning教材への効果的視覚要素の導入

作成代表者 由比 政年
所   属 環境デザイン学系・教授
教材の概要

当該科目の英語化導入に伴ってH28年度に開発した日英対照形の自習用教材(講義要点のダイジェスト:予習用)の活用にあたり,視覚的・直観的な理解を高めることを目的として,動画表示の導入やビデオ画像等の取り込みを行って学習効果を向上させる.また,ベトナム・ホーチミン市工科大学とのツイニングプログラム生として,現地で日本語学習を行っているベトナム人学生向けに公開する際の理解度向上につなげる.

【英語・日本語教材】金沢大学附属図書館蔵書検索システム OPAC plusを使おう!

作成代表者 垣内 康孝
所   属 国際基幹教育院GS教育系教授
教材の概要

■目的 1.平成26年度に本学蔵書検索システムOPAC plusについて検索から資料の利用までの一連の流れを説明する動画を作成し,学生をはじめとする利用者の情報検索能力の向上につなげてきた。今回は,平成28年度末の図書館システム更新によるインターフェイスの変更があったため,画像等の修正・変更をおこなう。 2.作成した動画は図書館Webサイトで公開し,授業内及び日常業務で活用することで,図書館サービスの向上及びカウンター業務の削減を図る。

■内容 1.OPAC plusのインターフェイス変更に伴う画像の修正。 2.日本語版及び英語版ナレーションの再録音。再録音は,本学学生を活用する。

作成協力者

附属図書館学術情報リテラシー教育推進ワーキンググループメンバー

年齢調整死亡率計算方法が楽々身に付く演習教材

作成代表者 岡本 理惠
所   属 医薬保健研究域 保健学系
教材の概要

平成24年度施行の改正介護保険法において地域包括ケアシステムの推進が義務づけられ、自治体では「地域診断」に基づく根拠のある計画づくりが求められている。保健師等の専門職は、各種健康関連データを適切に用いて地域の実態を把握し、背景や課題を可視化・診断する能力が求められている。 一昨年は授業用教材作成支援を受け、「石川県内人口動態の経年推移可視化ツール」の作成を行い、2年生から4年生の関連授業で繰り返し使用することが可能となった。 今年度は、年齢調整死亡率についての説明・演習教材を作成する。年齢調整は、自治体比較のための基本的項目であり、粗死亡率と年齢調整死亡率違いや読み取り方を問う問題は保健師国家試験にも頻出されている。しかしながらこれまでは授業で説明をするに留まっており、4年生でも概念、計算方法、分析方法を十分に理解できていない学生が散見される。 年齢調整死亡率の基礎的知識の教授および死亡率計算演習を簡便に行える教材を作成し、アカンサスポータル上に公開することによって、学生は各学年の学習課題に沿って繰り返し自己学習を行うことができ、地域診断に関わる力を伸ばすことができる。 この教材の発展的意義 1.関連科目での年齢調整死亡率の説明や応用的演習が可能になる 2.学部生のみならず、大学院生の学習支援にも活用できる 3.将来的には石川県内自治体の初任者保健師教育等の卒後教育に活用することで、地域貢献ができる。

作成協力者

医薬保健・保健学系:城戸照彦(教授),表志津子(教授),塚崎恵子(教授),市森明恵(助教),京田薫(助教),板谷智也(助教)

侵襲を及ぼす看護技術視覚教材「静脈血採血」「筋肉注射」

作成代表者 塚崎 恵子
所   属 医薬保健研究域 保健学系
教材の概要

この実習は看護学における最終段階の実習として、卒業後に臨床の場で適応できるための身体侵襲技術を習得し、看護実践能力を高めることを目的としている。 今回の申請では身体侵襲技術のうち静脈血採血と筋肉内注射の手技について動画学習教材を作成する。これらの手技は学生にとって最も難易度が高く緊張を強いられる演習技術であるが、解説付きの動画を作成することにより、詳細な手技の手順を学生が繰り返し学習することが可能となり科学的根拠に基づいた学習支援に効果的である。アカンサスポータル上で演習前の視聴を義務づけることにより、よりイメージを持って演習を行うことが出来る。

動画教材の特徴 1. 手技別に細分化して動画を作成し、演習の事前・事後に繰り返し学習することで、細部にわたる手技を適切に身に付けることが出来る。 2. 事前学習を充実させることで、演習に対する学生の過度の緊張を取り除くことが出来る。 3. 事前学習の実施により効率的に演習を進められることで、学生に臨床の場での注意点を能動的に考えさせるなどの、アクティブラーニングの要素を取り入れた学習支援が可能になる。

具体的内容 静脈血採血:超音波診断装置(以下、エコー)を用いた血管アセスメント方法の画像作成

① エコーの使用方法

② エコーで見える画像の例

③ 目視可能で触知可能な正中皮静脈の短軸像(水平面)の画像を取得し、血管径、皮膚からの深さを計測する方法

④ つぎに長軸像(矢状面)を取得し、刺入対象範囲の末梢から中枢方向の内腔径の変化、走行(皮膚との平行度、分岐)の観察の仕方とその情報をもとに長軸画像の模式図を作成する。

⑤ ③と④の測定により採血に必要な血管のイメージ図の作成

筋肉内注射: 筋肉注射の実施において、一連の手技を細分化して動画を作成する。

① 筋肉注射に適した注射部位の選定(三角筋)

② 筋肉注射に適した注射部位の選定(中臀筋)

③ 薬剤の準備 ④ 筋肉注射の実施

⑤ 皮下注射の実施 (なお、動画撮影のモデルを学生とすることも検討している。)

作成協力者

医薬保健・保健学系:須釜淳子(教授),大桑麻由美(教授),津田朗子(准教授),松井希代子(助教),柳原清子(准教授),岡本理恵(准教授),市森明恵(助教),堀口智美(助教)