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ICT活用教育実践例

総合メディア基盤センター(2)

『〇〇系のための情報処理』(選択)

  • 「情報処理基礎」受講済みの学生を対象とした文系・理系・医、薬、保健系別の応用情報処理科目

今回の取材にご協力いただいた先生をご紹介します。

■お名前: 森 祥寛 先生
■所属・職名: 総合メディア基盤センター 助教
■年度: 2010年度~

Q1. この取り組みの開始年度は?

2010年度後期から始まりました。

Q2. この取り組みの対象学生と授業形態を教えてください。

「情報処理基礎」履修済みの学生が対象です。講義とe-Learningを用いたブレンディッド型の授業です。

Q3. この授業を始められたきっかけについてお聞かせください。

「〇〇系のための情報処理」は2007年から始まった「一歩進んだPC活用講座」の取組から派生した授業です。この授業での経験を経て、それぞれの学域・学類によって、情報技術に対して要求するスキルの内容やレベルが異なることが分かってきました。そこで、学生にとってより役に立つ情報教育を行うために、2010年度から3講座を総合メディア基盤センター情報教育部門の教員3名が「文系」「理工系」「医、薬、保健系」をそれぞれ担当しています。

Q4. それぞれの授業の概要についてお聞かせください。

「文系のための情報処理」では、MS-Officeを全般的に使えるような授業内容になっています。これに加えて、フリーの描画ソフトなども教えています。「理工系のための情報処理」では、理工系3年生以上で使うことが多いTeXを、TeXのインストールから教えています。また、TeXに使う図の作り方なども教えています。 私が担当している「医、薬、保健系」では、様々なテーマや状況を課題として与え、その解決を通じてOffice系ソフトウェアの扱いを習得していく授業をしています。与えるテーマや状況は、PCスキルを上げるための単純な作業ではなく、グループワークを通じた協働作業を行わなくてはいけないものを選択しています。

Q5. では、「医、薬、保健系の情報処理」の具体的な内容を教えてください。

この授業では、ほぼ全ての課題をグループで行います。最初は「自己紹介の冊子」を作成させました。その後、「パソコンが不慣れな方のための各種マニュアル作成」や、「大学は高校とはココが違う!」ということをテーマにプレゼンテーションをさせたりしました。最終課題として「医、薬、保健系の学生である自分たちが受けたい情報の授業」をテーマにまとめさせました。課題解決はグループワークを中心に行い、それに即して授業を進めています。それに加えて、課題の評価には、グループ間の相互評価を取り入れています。一般的に相互評価という場合、リーフレットのように、予め教員が評価項目を提示することが多いのですが、私の授業では、自分たちの課題の評価項目は学生自身に作ってもらっています。これは自分たちが作成したレポート等について、一体どこに注目して欲しいのかを明確化させ、それが本当に評価されるに足るものなのかということを確認させるためです。 相互評価の実施後も、その相互評価結果の生データを学生に渡し、自らの手で分析させています。これによって作品作成→評価→CSV→Excel集計→作品の修正→修正結果の検証 のように、自分たちの課題解決の過程の中に、PDCAサイクルを自然に取入れることができるようにしています。これをOffice系のソフトウェアを使うことで、情報技術の習得もきちんとさせることができます。 また、グループワークでは、リーダーシップとフォロワーについて、その概要を授業で教え、詳細について調査させ、レポートにまとめさせています。これによって、グループ活動の中で、全員が自らの役割を意識しながら参加できるようになったと考えています。この結果から、グループワークを行う場合、少しの時間であっても、リーダーシップとフォロワーシップを教えることが有効であるという結論を得ました。

Q6. この授業で何かご苦労された点はありますか?

「一歩進んだPC活用講座」の経験から、学域・学類によって、情報技術に対して要求するスキルの内容やレベルが異なることは、ある程度つかんでいました。しかし1年目の授業ということもあり、準備した授業内容が、本当に医、薬、保健系の学生に求められているものだったのかが分かりませんでした。授業途中の学生との会話や、授業期間の最後に行った学生へのアンケートの結果から、方向性としては間違っていないという手応えを得ることができました。しかしまだまだ手探りで進んでいるという感じです。 また、この授業では、相互評価を取入れ、さらに評価項目を学生自身に作らせたのですが、実際に評価させるためには、学生の作成した評価項目をLMSに掲載するという作業を行わなくてはならず、その作業に結構な時間が取られてしまいました。

Q7. この授業での成果についてお聞かせください。

授業を履修した学生たちは、Office系ソフトウェアの扱いを習得すると共に、グループワークを通じたコミュニケーション能力や、課題解決能力も身につけていったと思っています。例えば、授業を通じて複数回の発表を経験させたのですが、これによって、発表に対する自信がついたようでしたし、PDCAサイクルを経ることによるレポートのブラッシュアップが行えました。1年目の授業ではグループワークで8グループを作ったのですが、その内2グループが2010年度JSiSE(教育システム情報学会)学生発表会で発表をすることができました。

Q8. では、最後に今後の計画についてお聞かせください。

総合メディア基盤センターの情報教育部門は、2011年度に「情報処理基礎」「一歩進んだPC活用講座」「情報発信リテラシー」「ICT素材作成術」「〇〇系の情報処理」(3コマ)の7講座を開講しました。2012年度は「情報発信リテラシーI」を前期に、「情報発信リテラシーII」を後期に開講し、新たに「動画配信サービスを用いた情報発信演習」と「プレゼンテーション演習」を加え、計10講座を開講します。
また、総合メディア基盤センターでは2012年4月から、壁三面がホワイトボードやスクリーンとして使え、教室中央の床にプロジェクター投影することができる多目的教室の運用をはじめました。椅子や机も可動式で、グループワークにも適しており、所謂、アクティブラーニングを行うことが可能な教室です。2012年度から新しく開講される授業はこの教室を利用しておこなわれます。

総合メディア基盤センター情報教育部門が開講している情報系科目 10講座
(新規)は2012年度から開講した講座
情報処理基礎 一歩進んだPC活用講座
情報発信リテラシーI ICT素材作成術
医、薬、保健系のための情報処理 文系のための情報処理
理工系のための情報処理 情報発信リテラシーII(新規)
プレゼンテーション演習(新規) 動画配信サービスを用いた情報発信演習(新規)

――お忙しい中、ご協力いただきありがとうございました。